雑感

気まぐれに更新します。

2024.

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2024/11/13 朝日新聞朝刊記事について

9月24日に発生した津波に関して、地震発生直後6分後に「津波注意報」を発令した気象庁さんの対応について、朝日新聞さんが記事を出されました → 「謎の津波」予測、挑む気象庁 事前注意報に初成功。大変恐縮ながら、私のコメントも載せていただいています。

今年の9月24日午前8時ごろ、私が研究をしているスミスカルデラという伊豆諸島の海底火山でのマグニチュード5.9の地震を原因とする津波が発生しました。「大きな地震もないのになぜ津波注意報?」ということで記憶にある方もいるかもしれません。八丈島で50cm、その他伊豆諸島などで数十cmの津波が観測されました。

このスミスカルデラでは、1984年・1996年・2006年・2015年、約10年間隔で同様に津波を引き起こす地震が繰り返してきました。しかし、マグニチュード6以下の地震で最大50cmを超える津波が発生する稀有で特殊な津波現象であり予測が難しいと言われてきました(その原因解明が私の博士研究課題だったというのは余談)。実際、津波注意報・警報発令を受け持つ気象庁は、上記の過去四回の津波の際には、八丈島に津波が到達してからの「あと出し」津波注意報の発令を余儀なくされていました。

9月の津波もやはり前回から約10年後に発生したわけですが、今回、気象庁は初めて「先出し」津波注意報に成功しました。地震発生から6分後、実際に津波が到達する25分前の津波注意報発令となりました。この初の予測成功の裏に、気象庁の方々のどのような準備と地震発生時の担当者の機転があったのか、という津波防災・減災に関わる方々の姿が見えてくる良記事です。

今回のような津波に対して事前に津波注意報を出せる機関は、世界を見ても気象庁以外にないです(本当です)。これは、過去の観測を蓄積し、それらを防災・減災に繋げようとされる気象庁の皆様のご尽力があってこそです。このことがちょっとでも伝われば嬉しいなと、津波を研究する人間の一人として心から思います。

この津波発生当日の雑感(2024/09/24)にも「今回、過去の繰り返し地震・津波の経験を活かし、津波が八丈島に到達する前に津波注意報が発令された、初めての事例となりました。このことは、科学と防災対策の大きな進歩として言えるのではないかと感じています」と書いていましたが、まさにこの点に注目してくださったことは津波防災に関わるものとしてとても嬉しいことでした。津波発生当日の取材でその旨を朝日新聞・矢田記者にお話ししていたところ、このようにさらに深掘りして取材してくださいました。誠にありがとうございました。

今回の津波を契機に、弊所と気象庁の方々の間にも連携関係が生まれています。私自身も研究を進めるという視点に加えて、最新の研究をいかに防災・減災に繋げていくかという視点も持ちながら今後も活動を進めていきたいと思います。

#tsunami #disaster_mitigation #media

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2024/09/24 鳥島近海地震・津波

本日早朝8時14分、鳥島近海のM5.9地震の後で伊豆諸島などで最大50cm(八丈島八重根)の津波が観測されました。地震の震源は、海底火山・スミスカルデラの近く、地震や津波の特徴をまとめて考えると、私がこれまで長年研究してきた、約10年間隔で繰り返すスミスカルデラにおける「トラップドア断層破壊」の海底カルデラ隆起現象、が発生したと考えています。朝起きてニュースを見てとうとうきたかのかと、一気に目が覚めました。前回の同規模地震が2015年5月でしたので、それから9年と3ヶ月、やはりやはり10年間隔で発生するという、自然現象の不思議さを目の当たりにした気持ちです。

過去のスミスカルデラの地震による津波では、いつも津波が八丈島に到達してから津波注意報が発令される、「後追い」の注意報となっていたことが課題でした。今回、過去の繰り返し地震・津波の経験を活かし、津波が八丈島に到達する前に津波注意報が発令された、初めての事例となりました。このことは、科学と防災対策の大きな進歩として言えるのではないかと感じています。対応に改善を重ねながら備えられてきた気象庁の方々のご尽力があってこそとのことです。心より敬意を表したいです。個人的にも、この海域の津波を研究してきた身として、その進歩の一端を担えていたとしたら、これほど嬉しいことはありません。

昨年10月にも鳥島近海=「鳥島の南方100kmくらいに位置する孀婦(そうふ)海山」で発生した津波が大きな騒ぎとなりました。昨年の津波とは発生場所が大きくが異なり、スミスカルデラは鳥島の北方100kmくらいに位置しており、鳥島を挟んで孀婦海山とは反対にあります。異なる海底火山で、2年続けて大きな地震を伴わない津波が発生したということで、これらを契機に海底火山活動の脅威が広く知れ渡ることとなり、また今後の科学の発展と減災につながっていければと思います。

さて、今回の地震・津波については、本日はメディアの皆様の取材をお受けしつつ、合間を縫って見解をスライド資料にまとめていました。おそらく明日中には、弊所のWEBページより公開される見込みです。

#tsunami #earthquake #sumisucaldera

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2024/09/23

今日はソウル大学にてセミナー講演を行ってきました。津波と地震波を用いて海底カルデラの火山現象を明らかにするという内容で、2015年5月のスミスカルデラでのトラップドア断層破壊と、2023年10月の孀婦岩近傍の津波についての研究についてお話しました。久しぶりの一時間の研究発表は(準備も含めて)なかなかタフでしたが、熱心に聞いてくださった学生さん達からもいくつも質問をいただき、とても楽しい時間でした。ご招待してくださったYoungHee KIM教授、ランチにご一緒してくださったSangMook LEE教授、このきっかけをくれた地震研時代の後輩HyeJeongに感謝です。韓国とは個人的な繋がりも深く、今回の訪問は長らくの念願が叶った形です。今後も良い関係を築いていけるよう頑張ります。

#seminar #vist #encounter

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2024/09/18

以前のサイトの情報のごちゃごちゃ感と編集作業の煩雑さに嫌気がさし、ウェブサイトを刷新しました。これまでサイトを閲覧してくださった方、ありがとうございました。新しいサイトはシンプルさに重点を置いています。主に下記のサイトを参考にして(苦労の末)作成しました。

(追記 2024/09/25)Google Analyticsによるサイト訪問者の解析をできるようにした.Google AnalyticsのIDを埋め込むだけでなく,Google Tabなるものを設定しておかないとうまくいかないらしい.参考させていただいたのは下記のページ.

(追記 2024/10/01)Google検索に新しいサイトが引っ掛からなくなったので,下記を参考に設定.大事な時にリンクが働かなかったようだ.

#github #jekyll

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